西日本豪雨とは|死者245人・平成最悪の水害と線状降水帯の真実

水害・台風

西日本豪雨とは|死者245人・平成最悪の水害と線状降水帯の真実

特定の地域に、雨雲が次々と流れ込んで居座り続ける。2018年7月、西日本の広い範囲が記録的な豪雨に襲われました。西日本豪雨(平成30年7月豪雨)です。原因となったのは線状降水帯。死者237人・行方不明8人、あわせて245人が犠牲となり、平成以降の風水害では最悪の被害となりました。岡山県倉敷市真備町では、ハザードマップが示したとおりに町が水没したのです。

西日本豪雨とは?平成最悪の風水害

西日本豪雨は、2018年6月末から7月初旬にかけて、西日本を中心に発生した記録的な大雨による災害です。停滞した梅雨前線に台風からの湿った空気が流れ込み、広い範囲で雨が降り続きました。多いところでは、総雨量が1,800mmを超えた地点もあります。

被害は1府13県という、きわめて広範囲に及びました。河川の氾濫、土砂崩れ、土石流が各地で同時多発的に発生します。死者・行方不明者は245人にのぼり、平成に入ってからの風水害としては最悪の人的被害となりました。特定の台風や一つの川の氾濫ではなく、西日本全体が同時に水浸しになった——そこにこの災害の特異さがあります。

えっ、西日本のあちこちで同時に…?1か所の大雨ではなかったのですね。

西日本豪雨の被害|倉敷・真備を襲った濁流

西日本豪雨の被害|倉敷・真備を襲った濁流

なかでも甚大な被害を受けたのが、岡山県倉敷市の真備町(まびちょう)です。小田川とその支流が次々と決壊し、町の広い範囲が水没しました。濁流は住宅の2階にまで達し、逃げ遅れた人々が取り残されます。真備町だけで、51人もの命が失われました。

広島県や愛媛県では、土砂災害による犠牲が目立ちました。犠牲者全体のうち、半数以上は土石流やがけ崩れによるもので、6割は屋内で被害に遭っています。「雨はいつものこと」という感覚のなかで、避難が遅れてしまった人も少なくありませんでした。数字の向こうにある一人ひとりの暮らしに、思いを寄せずにはいられません。

悲しい

2階まで水が…逃げ遅れてしまった方のことを思うと、言葉になりませんね。

線状降水帯とは|なぜ記録的豪雨になったのか

線状降水帯とは|なぜ記録的豪雨になったのか

記録的な豪雨を生んだ正体が、線状降水帯です。これは、発達した積乱雲が次々と発生し、風に流されて列をなし、同じ地域の上空を通過し続ける現象です。雨雲が「線」のように連なって居座るため、その真下の地域では猛烈な雨が何時間も降り続けます。

一つの積乱雲の寿命は短くても、風上で次から次へと新しい雲が生まれ、ベルトコンベアのように同じ場所へ流れ込む。これが長時間の豪雨を生み出します。西日本豪雨では、この線状降水帯が各地で発生し、広範囲を同時に襲いました。下の図で、そのしくみを見てみてください。短時間の通り雨とは、まるで別物の脅威なのです。

タイガ

補足しますと、近年は「線状降水帯」という言葉が天気予報でもよく使われるようになりました。その危険性が広く知られる転機の一つが、この西日本豪雨だったのですよ。

ハザードマップが示していた|真備の教訓

真備町の災害には、私たちが深く心に刻むべき事実があります。後に検証したところ、実際に水没した範囲は、市が事前に配っていたハザードマップの浸水想定区域と、ほぼ一致していたのです。つまり、危険はあらかじめ「分かっていた」ことになります。

ハザードマップは、いざというときに命を守る地図です。しかし、それが手元にあっても、見ていなければ、あるいは「自分は大丈夫」と思っていれば、避難にはつながりません。情報を「知っている」ことと、それを使って「行動する」ことのあいだには、深い溝がある。真備の教訓は、その溝をどう埋めるかを私たちに問いかけています。

西日本豪雨の教訓・防災への学び

西日本豪雨が遺した教訓は、豪雨が当たり前になりつつある時代に、ますます重要になっています。線状降水帯は長時間の猛烈な雨をもたらすこと。そして、ハザードマップで自分の家の危険を知り、「早めに逃げる」ことが命を守ること。雨は、いつもの雨とは限らないのです。

  • ハザードマップで自宅の浸水・土砂災害リスクを平時に確認する
  • 「線状降水帯」「大雨特別警報」が出たら、ためらわず早めに避難する
  • 夜や豪雨のピーク前の「明るいうちの避難」を心がける

この災害をきっかけに、気象情報の伝え方や避難情報の出し方が大きく見直されました。「自分の命は自分で守る」という意識を、社会全体で高めていくこと。多くの犠牲が問いかけたこの課題に、一人ひとりが向き合っていきたいものです。

西日本豪雨はいつ起きたのですか?

2018年6月末から7月初旬にかけてです。停滞した梅雨前線に湿った空気が流れ込み、線状降水帯が各地で発生して、西日本の広範囲が記録的な豪雨に見舞われました。

西日本豪雨の死者数はどれくらいですか?

死者237人、行方不明者8人で、あわせて245人にのぼります。平成以降の風水害としては最悪の人的被害で、岡山・広島・愛媛の3県に犠牲が集中しました。

線状降水帯とは何ですか?

発達した積乱雲が次々と発生し、列をなして同じ地域の上空を通過し続ける現象です。雨雲が居座るため、その真下では猛烈な雨が長時間降り続き、記録的な豪雨をもたらします。

まとめ|西日本豪雨が問いかけた「逃げる」こと

西日本豪雨は、線状降水帯による記録的な大雨で西日本の広範囲を襲い、245人もの命を奪った、平成最悪の風水害でした。倉敷・真備の水没、各地の土砂災害、そして「ハザードマップの想定どおりだった」という重い事実。豪雨災害の怖さと教訓が、いくつも刻まれています。

危険は、しばしば事前に「分かって」います。あとは、それを知り、早めに行動できるかどうか。線状降水帯の時代に、ハザードマップの確認と早めの避難を、私たちの習慣にしていきましょう。同じ水害・台風の記事も、あわせてご覧ください。

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