北海道胆振東部地震(ブラックアウト)2018の被害

地震

北海道胆振東部地震(ブラックアウト)2018とは?震度7と道内全域停電の全記録

眠っている北海道を、下から突き上げるような激震が襲いました。2018年9月6日午前3時7分、北海道胆振東部地震(ブラックアウト)が発生。マグニチュードは6.7、厚真町(あつまちょう)では北海道で初めての震度7を観測しました。土砂崩れなどで亡くなった方は43人。そして地震の直後、北海道のほぼ全域約295万戸が停電する、日本で初めての「ブラックアウト」が起きたのです。何が起きていたのか、順を追って見ていきます。

北海道胆振東部地震はいつ・どこで起きた?

地震が起きたのは2018年(平成30年)9月6日の午前3時7分、多くの人が寝静まった未明でした。震源は北海道南西部の胆振地方中東部、震源の深さは約37キロメートル。気象庁マグニチュードは6.7で、正式名称を「平成30年北海道胆振東部地震」といいます。

この年の北海道は、地震のわずか数日前に台風21号の直撃を受けたばかりでした。豪雨で地盤が水を含んだところへ、真夜中の激震。二つの災害が重なったことが、のちの被害を大きくする一因になったとも指摘されています。眠りの中で身構える間もなく揺れに襲われた——その恐怖は、想像するにあまりあります。

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台風のすぐあとに、真夜中の大地震だったのですね。備える心の準備すらできなかった方が多かったはずです。

北海道胆振東部地震の震度は?各地の揺れ

最大震度は、震度階級でもっとも大きい震度7。厚真町鹿沼で観測されました。震度7が記録されたのは2016年の熊本地震の本震以来、観測史上6回目で、北海道では初めてのことでした。震度7がいかに稀で激しい揺れか、その一点だけでもこの地震の異常さが伝わってきます。

揺れは震源周辺だけにとどまりませんでした。震源に近い町から道都・札幌まで、広い範囲が激しく揺さぶられています。主な各地の震度は次のとおりです。

  • 震度7:厚真町(鹿沼)
  • 震度6強:安平町(あびらちょう)、むかわ町
  • 震度6弱:千歳市、日高町、平取町、札幌市東区 など

人口約195万人を抱える札幌でも、東区で震度6弱を記録しました。都市の直下に近い強い揺れは、建物やライフラインに広く影響を及ぼします。震源に近い町の被害はもちろん、大都市がまるごと揺れたことが、このあと語るブラックアウトの混乱につながっていきました。

北海道胆振東部地震の死者と被害の全体像

この地震で亡くなった方は、43人(うち災害関連死2人)。負傷者は782人にのぼりました(2019年3月末時点)。犠牲者の多くは、震源に近い厚真町に集中しています。厚真町だけで36人、札幌市で3人などが命を落としました。

主な被害(2019年3月末時点)

死者43人(災害関連死2人を含む)/負傷者782人/住家全壊469棟/住家半壊1,660棟。加えて、北海道のほぼ全域が停電する「ブラックアウト」で、約295万戸が影響を受けました。

数字だけを並べると淡々として見えますが、その一つひとつに眠っていた家族の暮らしがありました。真夜中に突然すべてが崩れる——災害の残酷さが、ここにあらわれています。

厚真町を襲った大規模な土砂崩れ

厚真町を襲った大規模な土砂崩れ

この地震の被害を決定づけたのが、厚真町で同時多発した大規模な土砂崩れです。山の斜面が次々と崩れ落ち、ふもとの集落を一気にのみ込みました。犠牲者の大半が、この土砂崩れによるものでした。

崩れた斜面の面積は、明治以降の日本の地震で最大規模ともいわれます。背景にあったのが、この地域の地質です。斜面の表面をおおっていたのは、過去の火山噴火が降り積もらせた火山灰の層。水を含んでもろくなりやすいこの層が、地震の揺れと直前の台風の雨で、すべり台のように一気に崩れ落ちたと考えられています。

悲しい

山の斜面が一斉に崩れるなんて…。ふもとで眠っていた方々のことを思うと、胸がつまります。

緑の山肌が茶色くえぐられた光景は、この地震を象徴する記録として多くの人の記憶に刻まれました。土地の成り立ちそのものが被害の形を決めた、という点で、防災を考えるうえでも重い教訓を残しています。

北海道胆振東部地震のブラックアウトはなぜ起きた?

北海道胆振東部地震のブラックアウトはなぜ起きた?

この災害を全国的に有名にしたのが、ブラックアウト——北海道のほぼ全域が停電する事態でした。地震発生から約18分後、道内で使える電気がいっせいに消え、約295万戸が真っ暗に。電力会社の管内全体が停電する「エリア全域のブラックアウト」は、日本で初めての出来事でした。

引き金になったのが、震源に近い苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所です。当時この一か所が、北海道全体の電力需要のおよそ半分を担っていました。地震でこの発電所が緊急停止すると、電気の供給が一気に不足します。

電気は、つくる量と使う量を「つねに同じ」に保っていないと安定しません。このバランスが大きく崩れると、機械を守るために他の発電所も自動的に止まってしまう。こうして一か所の停止が引き金となり、将棋倒しのように道内すべての発電が止まったのです。これがブラックアウトの正体でした。

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補足しますと、一つの発電所に電力の多くを頼っていたことが、連鎖停止を招いた大きな要因でした。電源を分散させる大切さが、この地震で強く認識されたのですよ。

ブラックアウトで道民の生活はどうなった?

ブラックアウトで道民の生活はどうなった?

電気が止まると、暮らしは想像以上に広く麻痺します。信号は消え、鉄道や地下鉄はストップ。多くのビルでは断水も起きました。ポンプで水をくみ上げるマンションの上層階では、水道が出なくなったのです。電気に支えられた現代の生活の弱さが、いっきに露わになりました。

スマートフォンの充電も、コンビニの営業も、ATMも止まる。信号の消えた交差点、暗闇に沈んだ札幌の街——「電気さえあれば当たり前にできたこと」が、次々とできなくなりました。情報を得るためのスマホの電池残量を、多くの人が固唾をのんで見つめていたといわれます。

復旧作業は急ピッチで進められ、地震発生からおよそ2日で、停電のうち約99パーセントが解消しました。それでも、真っ暗な夜を越える不安と、電気のありがたみを、北海道の人々は身をもって知ることになったのです。

北海道胆振東部地震の原因|震源の特徴と断層

この地震には、地震学のうえでも「意外」な特徴がありました。ひとつは震源の深さです。内陸で起きる地震の多くは地下10〜15キロほどで発生しますが、この地震の震源は約37キロと、かなり深い場所でした。

もうひとつは、揺れを起こした断層です。この地域には「石狩低地東縁断層帯」という知られた活断層がありますが、今回の地震はその主要部分の活動とは直接対応しないと評価されています。つまり、地下深くのあらかじめ知られていなかった断層が、東西から押される力で動いた逆断層型の地震だったのです。

さらに札幌市清田区の里塚(さとづか)などでは、地面が泥のようになる液状化も発生しました。かつて谷を埋めて造成した土地で被害が集中し、地盤の成り立ちが被害を左右することを、あらためて突きつけています。「知られた活断層の近くだけが危ない」わけではない——この地震は、そんな油断への警告でもありました。

知られていない断層が動くこともあるのですか…?では、どこに住んでいても油断はできませんね。

現代への教訓・防災への学び

現代への教訓・防災への学び

北海道胆振東部地震が私たちに残した最大の教訓は、電気を失うと、暮らしのすべてが止まるという現実です。地震そのものへの備えに加えて、「停電が長く続いたら」という視点での備えが欠かせません。北海道はこれまでも北海道南西沖地震など大きな災害を経験してきましたが、都市全体の長時間停電は、多くの人にとって初めての体験でした。

特別な設備がなくても、家庭でできる備えはたくさんあります。まずは電源と、灯り、そして情報を確保する準備から始めてみてください。

  • モバイルバッテリーを複数用意し、ふだんから充電しておく
  • カセットコンロとボンベ、懐中電灯・ランタン、乾電池を備える
  • 車のシガーソケットやポータブル電源で、スマホを充電できるようにする
  • 水・食料は「使いながら買い足す」ローリングストックで数日分をキープ

電力会社の側でも、一か所の発電所に頼りすぎない電源の分散や、他地域から電気を送る仕組みの強化が進められました。社会の備えと、家庭の備え。その両輪があってはじめて、次のブラックアウトから暮らしを守ることができます。真夜中の暗闇の記憶を、次への準備に変えていきたいものです。

北海道胆振東部地震はいつ起きましたか?

2018年(平成30年)9月6日午前3時7分に発生しました。震源は北海道胆振地方中東部、震源の深さは約37キロメートル、マグニチュードは6.7です。多くの人が寝ている未明の地震でした。

北海道胆振東部地震の死者は何人ですか?

亡くなった方は43人(うち災害関連死2人)で、負傷者は782人です。犠牲者は震源に近い厚真町に集中し、同町だけで36人が土砂崩れなどで亡くなりました。

ブラックアウトはなぜ起きたのですか?

北海道の電力需要の約半分を担っていた苫東厚真火力発電所が地震で緊急停止し、電気の需給バランスが大きく崩れたためです。機械を守るため他の発電所も連鎖的に停止し、道内ほぼ全域約295万戸が停電しました。日本初のエリア全域停電です。

停電はどれくらいで復旧しましたか?

地震発生からおよそ2日で、停電のうち約99パーセントが解消しました。ただし信号や水道、通信など生活への影響は広範囲に及び、電力に依存した現代社会のもろさを浮き彫りにしました。

まとめ|北海道胆振東部地震が残したもの

北海道胆振東部地震(ブラックアウト)2018は、震度7と大規模な土砂崩れで43人の命を奪い、さらに日本初の全域停電で約295万戸の暮らしを止めた災害でした。深い震源と未知の断層、火山灰の地盤、そして一か所の発電所に頼った電力——いくつもの「弱点」が重なって、被害は大きくなりました。

地震は防げなくても、停電への備えはできます。モバイルバッテリーやカセットコンロ、ローリングストック。真夜中の暗闇の記憶を、今日の備えに変えることが、この地震を経験した私たちにできる何よりの供養なのかもしれません。

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